〈こども医療福祉センター〜医療×学校〉
- kofujimoto
- 2017年8月29日
- 読了時間: 3分
長崎県諫早市の長崎県立こども医療福祉センターに行ってきた。
この病院の業務内容は「肢体不自由児の小児整形、発達障害児、てんかん、心身症、神経症、不登校などの児童の診断、治療、療育に関すること。」と書かれている。
歴史を辿るとこの病院は小児神経から始まったという。
脳性マヒやてんかんなどの脳神経に関わる病気を専門として診ていたが、他の症状を診る病院の需要性が高まり発達障がいなど様々な症状を診るようになったという。
医療技術の進歩のため未熟児でも死なずに生き残れるが、その反面そういう子たちには神経の病気や発達障がいなどが生じることがあるという。
予定の時間より早めに着いてしまったため院内の掲示板を見ていた。
一般的な病院では見かけない2つのポスターに驚かせられた。
てんかんを治療する方法のポスターを初めて見た。
パルスジェネレータというペースメーカーのようなものを胸に埋め込む。
そのパルスジェネレータから迷走神経へ線を繋ぎ断続的に電気を流す。
これにより治療するのが迷走神経刺激療法(VNS)というものらしい。
解剖で見た迷走神経に線を繋ぐことを考えると手術には力量が問われそうだと思った。
もう1つのポスターは障がい者歯科に関するものだ。
このこども医療センターには歯科も含まれており障がい者の方々も歯医者に通えるのだ。
肢体不自由ならば一般的な歯科の椅子ではダメだろうということは容易に想像がつく、ところが感覚過敏の子どもたちやパニックを起こしやすい子どもたちも歯科に通うのが大変だということは実はあまり知られていない。
そういう子どもたちが行ける歯科はないのだろうかと思っていたため見つけることができてよかった。
今日院内見学をしてくださった先生は気さくな方だった。
独自の軽快な表現で話してくださる。
ざっくばらんで親近感が湧く。
子どもの心の問題はやはり精神・小児、両方の入り口があるという。
先生は小児科から入った先生で小児心療に属する。
小児科はフィードバックは出にくいが出たときはうれしいことと、小児心療や小児発達以外にも広く学ぶため遠回りではあるという。
精神科だとストレートに行けるがその代わり体を見ることはできないし、アルツハイマーなど高齢者の分野での需要が高まっていることなど聞いた。
外来ではADHDや起立性調節障害、自閉、不登校など様々な症状での受診の方々がいた。それぞれ患者さんのみ、親と一緒、患者さんのあと別個に親、患者さんと親との問診の後患者さんと親別個、患者さんに対してどう接すればいいかを相談に来る先生方など様々な受診の仕方があった。
家族構成や家庭の状況を踏まえた上での判断だ。
そのような人たちに対して1人20分ほどゆっくり話せるところが良かった。
生活のリズムが崩れていると言っても一人ひとり全く違うし、親の対応も違う。
教科書的な固定観念に囚われない小児心療の理解ができたと思う。
このこども医療福祉センターで独特なことは学校と隣接していることだ。
というよりもむしろ繋がっている。
ここの子どもたちはその特別支援学校へ通う子どもが多い。
入院で通う子は他の学校で不登校になった子も多い。
しかし、この病院のサポートのおかげで生き生きしていてそのようなものを感じなかった。
教室でも食堂でも楽しそうにしていて、通りがかりの先生や医師に喋りかける子どももいた。
院内学級とはまた違う医学と教育の連携に惹かれた。
院内見学は8:30〜17:30だった。
興味があることで、楽しくはあったのだが流石に疲れた。
9時間もご一緒させていただいて様々な子どもたちを見ることができた。
今後の小児科か精神科科の選択や、病院の選択の際に活かせそうだ。
ずっと楽しみにしていた子ども医療センターを見ることができたことで考え方にも少し変化があった。
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