〈ハンセン病なんかどうでもいい〉
- kofujimoto
- 2017年11月12日
- 読了時間: 3分
ハンセン病患者はかつて死ぬまで施設に隔離された。 ハンセン病患者はかつて妊娠すると強制的に堕胎させられた。 ハンセン病患者には「人権」がなかった。 しかし、その感染力はインフルエンザよりも低かった…
長崎多職種連携・たまごの会の企画「知ろう、考えよう、伝えよう」〜ハンセン病の歴史から学ぶ人権〜を行なった。 これは市民公開講座として一般に公開され、名前の通りハンセン病について扱った。 ハンセン病患者と会うことなんて滅多にないのになんで学ぶの? そういう声があって当然だし実は僕自身もそうだった。 医師が率先して差別を行なっていた医師の黒歴史ということで興味はあったが、精神の分野を重視している僕は関係ないことを勉強することに意味を見出さなかった。
さて、ハンセン病について簡単に説明する。 ハンセン病の原因となるらい菌はとてつもなく弱く人工培養すらできない。 また人類の95%はらい菌に耐性があり発症せず、しかも薬の服用で投薬した100年間に1人失敗する程度という超高確率で治る。 そして、ハンセン病の感染力はインフルエンザよりも低いのだ。
ハンセン病は家族などのように何十年も一緒に過ごすことでしか移らない。 ハンセン病はある程度の感染力があると思っていたためハンセン病の差別には興味がなかった。 でも、ハンセン病は移らないと言っても過言ではないほど移らない。 それなのにハンセン病の子が教室にいるだけで、街を歩いているだけで、ホテルに1泊するだけで、人ではないような扱いを受けていた。
医師がハンセン病の感染力の弱さを見つけても差別は続いたには理由がある。 一般庶民は、古くからハンセン病は遺伝病や神からの罰だと言われておりその認識を変えることができなかった。 医師は、医師の上下関係というしがらみのため上の人が変えない限り変わらなかった。 正しい声を上げていた者は、社会から潰された。 人々はハンセン病を誤解し、正しい知識を持たぬ無知であり続け、ただただ怖れていたのである。
ただ、世界的には未だに患者がいるが日本には年間3,4人しかいない。 もうハンセン病という名前すら知らない人も多い。 それなのにハンセン病を勉強するは必要があるのは「ハンセン病の悲劇」を未来へつなげるためだ。 ハンセン病というのはあくまでも1つの病気だ。 5年前「新型インフルエンザ」という未曾有の病が流行した。 メディアは連日のように新型インフルエンザを特集し、街はマスクを着けた人で溢れ、人々はタミフルやリレンザを求めて血眼になった。 ところがそのインフルエンザは今や通常のインフルエンザと言うほどは違わないことがわかった。
人間は過ちを繰り返す。 わからないものはとりあえず怖れ排除する。 今後ハンセン病並みに深刻な差別が起きないと断言することはできない。 そのとき人類はどうすればいいのか。 病気を冷静に知り、各々が考え、それを伝えていかなければならない。 黒人差別や障がい者差別、男女差別が未だに続いている世の中、それらを少しでも解決するために身近なところから差別を疑ってみようと心を新たにした。
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