〈おかえもん先生のSW講座〉
- kofujimoto
- 2017年7月9日
- 読了時間: 3分
MSWという言葉は2年生になって初めて知った。
医学の多職種連携を目指したいと思っていたのに今まで知らなかったということに危機感を感じて最近勉強している。
MSWとはメディカルソーシャルワーカー、すなわち医学の領域におけるソーシャルワーカー(SW)だ。
SWというのは、カウンセラーと似ているがカウンセラーがその人だけを見ることに対して、SWはその人の背景にある家族関係や学校の事情までを見て包括的に対応する非常に難易度の高い職種である。
そのため、今日の岡江先生の講義を心待ちにしていた。
岡江先生は「偶然」や「なんとなく」によらず、技術や知識を持ってクライアントに接することで戦略的に救済できるということを説いてくださった。
クライアントへのアプローチにはたくさんの手法があって、その中から最善のものを選択することで問題解決ができるというのだ。
日本では最近ようやく出てきた考え方だが、アメリカでは一昔前からすでにあり大規模な災害時に警察や消防とSWが協力して被災者の心のケアにあたるということが実現できているらしい。
SWを普及させていくと共に、自身も精神科医として高いスキルを身に付けたいと思っている。
岡江先生の講義の中での醍醐味は実践練習があることだった。
以前Facebookでも書いた長崎大学病院呼吸器で禁煙の勉強会をしてくださる かわのてつや 先生も実践練習を重視して参加者同士で動機付け面接をする。
呼吸器では患者さんのほとんどはニコチン依存症なので、依存症に適した動機付け面接法に特化している。
SWにおいては依存症だけに限らず悩みなど多種多様なケースがあり、たくさんの手法を練習する必要がある。
今回扱った主なものは、危機介入アプローチ・家族療法アプローチ・ソリューションフォーカストアプローチの3つで、副次的にリフレミングやイエスセットなどの考え方を学んだ。
それぞれを解説していくと、
●危機介入アプローチ
災害や急逝など突然不安なことがあったときにすぐに対処するもので、クライアントが出したいのに出せない感情を引き出す。
●家族療法アプローチ
家族全体に関わる問題において、問題の原因を追及せず家族に目を向けてお互いにいい影響を与えていることを示す。
●ソリューションフォーカスアプローチ
漠然とした不安に対して、目標を見出しクライアントが今までに出来ていることを用いて解決へのビジョンを作る。
◯リフレミング
ネガティヴなことをポジティヴに捉え直すこと。
◯イエスセット
明らかに正しいことを言うことでクライアントへの理解を示すこと。
これらの技術を用いるにはどういう言葉を使えばいいかということをたくさん練習した。
全て打つと時間も文字数も莫大になるためメモの写真のみ添付する。(汚い字ですが悪しからず…)
SWの仕事として重要なことは、SWのやりたいようにさせられたという雰囲気にせず自分で問題を解決できたように思わせることだ。
呼吸器とSWで全く違うのに、かわの先生の勉強会と同じ結論に達するのだ。
人間の心に関わるときには共通の真理があるのだと思う。
このような他の分野の技術を身に付けることで良い精神科医になれるだけにとどまらず、他人に本当の意味で寄り添える人になれると思う。
岡江先生の著書を読んだり、論文を読んだりして技術を高めていきたい。
※間違っている部分があったら教えてください。おかえもん先生!
Comments