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〈障がい者問題を経済から切る〉

  • kofujimoto
  • 2017年6月23日
  • 読了時間: 3分

中島隆信さんが書いた『障害者の経済学』。

中島さんが有名な人なのかはわからないが、偶然この本を手に取った自分はセンスがよかったと思っている(笑)

障がい者の経済学。

端的に言うと障がい者問題を経済学から見てみようというわけだ。

障がい者問題は、精神科・福祉・教育、などが関わっていることは容易にわかる。

しかし、世の中には障がい者に対しての法律があって、お金の流れがある。

この部分は意外と日常的に気に留めないものだ。

障がい者問題がなぜ簡単に解決しないか。

それはもっと広い視野を持って見る必要があるのだ。

ネタバレは避けるが、本書で述べられていることの中で印象的だった部分について2つ述べる。

1つ、日本は障がい者問題に関して最初から万全の対策をとろうとしすぎてあとからガタが来てしまう。

最初はシンプルに後から必要に応じて規制や緩和をする必要がある。

これだけ聞くと、そんなことできているじゃないかと思える。

しかし、現実ではうまくいっていない。

「障がい者」をひとくくりにして同じ施設に集めてしまうことや、そこからの就労移行支援、様々なものに関して初めから方向性を定めすぎている。

これにより均一化が進み、障がい者にとって生きにくい世の中になるわけだ。

2つ、障がい者に無料でサービスを提供してはならないということの理由は目から鱗であった。

僕も有料化に肯定的だったが、理由をきくともっと納得がいった。

有料化ときくと印象は悪い。

しかし、世の中はビジネスで回っておりお金を払わないと通常サービスを受けることはできない。

それを無償で受けれるとなるとサービスの質は格段に落ちるのである。

競争もなければ、障がい者側から要望を言うというのも難しい、そういうものが無料であるという状態だ。

経済学の観点から言うと、競争があってこそいい社会ができていくのだ。

経済学の観点から見ると実に障がい者問題が複雑かがなおさらよくわかる。

この本は当事者も福祉や医学、教育、法、報道、そして経済。

様々な人が読んで互いに議論すべきだと思う。

一部の人にとっては、本書の冷静な見方に違和感や不快感を感じることがあるかもしれない。

ただ、そういう視点を持つことは大切である。

希望だけを語っていても何にもならない。

僕は様々な暗いことを知ってこそ、明るい未来を語れるのだと思う。

今までも暗い面をたくさん学んできたが、それでも障がい者問題は解決することができると思っている。

様々な人の協力があれば。だ。

経済や報道関係で障がいに興味がある人が力を貸してくれると大いに助かる。

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